2月11〜13日

「平和に暮らすのは大変だ」

 「安全なまちづくり特別委員会」の県外調査は、基地対策と街頭犯罪防止対策についての視察です。沖縄県の嘉手納基地と沖縄県警、そして大阪府警、東大阪市を訪問しました。

 嘉手納基地では、副司令官のグランダ・レイクラン空軍大佐と質疑応答。雇用その他で貢献しているとはいえ、多くの沖縄県民、そして基地周辺の住民は「米軍基地のない沖縄」を望んでいると思います。そのなかで、米軍はどのようにして付近住民と友好関係を築いてゆくか。そのための努力などが話題になりました。
 騒音問題では「単なる迷惑な騒音と捉えるか、(東アジアの)安定をもたらす音と捉えるかの違い。」のような言葉が大佐の口から出て、一瞬ドキリとしました。本県も厚木基地をかかえており、米軍機の爆音被害は深刻な問題になっています。大佐のある種“気の持ちよう”的な言葉は、毎日のように爆音のもとで暮らさなくてはならない近隣住民の気持ちを逆なでしかねない発言です。しかし、アメリカの覇権主義への論議を別にすれば、在日米軍は条約に基づいて極東の安定のために努力をしているのであって、さきの大佐の言葉は、米軍人として当然なのでしょう。たしかに、その爆音が自国の軍隊のもので、その軍隊が国民から敬愛される存在であれば、同じ音でも多少違って聞こえるかもしれません。
嘉手納基地の滑走路をバックに。地元の人も家族連れやカップルで飛行機見物に来ていた。
いくら沖縄でも、2月の海はちょっと冷たい。泳ぐにはちょっと早すぎるんじゃない。那覇市内で。

 さて、神奈川県においても刑法犯の発生件数の増加(平成15年は9年ぶりに減少!)、が憂慮されていますが、深刻さにおいては大阪府が上を行っています。平成15年中の刑法犯の認知件数は神奈川県の186,290件に対し、大阪府は285,307件。人口は神奈川県が約870万人、大阪府が約883万人とほぼ互角ですから、大阪府内の犯罪がいかに多発しているかが、わかると思います。そして、大阪府も本県同様、街頭犯罪の増加に頭を痛めています。
 今回は、主にスーパー防犯灯への取り組みを調査しました。ご存じの方も多いかと思いますが、スーパー防犯灯とは、犯罪発生時の通報装置や周囲を360度、動画で記録できるカメラ機能を持った街路灯です。本県では、平成15年度までに国のモデル事業として川崎市幸区鹿島田地区に5基、設置されており、平成16年度には大和市、相模原市、厚木市の3ヶ所に15基程度、新設される予定になっています。
 大阪府では、平成16年度に新設される分まで含めると、112基のスーパー防犯灯が設置されています。その多くが府と市・町が費用を出し合って設置したもので、そこに、ここまで普及した要因のひとつがあると思います。

 話が前後しますが、街頭犯罪とは主に、
1.ひったくり
2.路上強盗
3.オートバイ盗
4.車上ねらい
5.部品盗
6.自動車盗
7.自転車盗
8.自動販売機荒らし
の8罪種を指し、未成年による犯行が多いことも特徴です(一に家庭、二に学校、三に職場での教育がなにより重要と主張する所以です)。今回訪ねた東大阪市は、大阪市と並んで特にひったくりが多い(人口約50万人の東大阪市でひったくりは平成15年中に577件発生。大阪市は人口約260万人に対して3,914件。ちなみに人口約80万人の堺市では545件)ということで、スーパー防犯灯導入に熱心な地域です。
 犯人検挙に役立った実績もありますが、やはり犯罪に対しての抑止力になるようで、設置箇所周辺では、ひったくりが減ったという報告もありました。

 安全・安心まちづくりのためには、犯罪の起きにくい環境の整備が重要です。今後は本県においても、コストの分担方法や軽減策を研究し、必要とされるところに一日でも早く設置できるよう、私も努力してまいります。
東大阪市の近鉄布施駅前で。防犯指導のおじさんが、ひったくり防止用の自転車かごカバーの配布をしていました。
これが警察緊急通報装置、通称スーパー防犯灯。いまどきISDN回線というのが少々かったるい。(近鉄布施駅前)